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三条琉瑠@秘姫堂のHP兼ブログ。BLEACHで弓受で徒然なるままに。 新旧十一番隊最愛。角弓・剣弓・鉄弓などパッションの赴くままに製作中。パラレルなども取り扱い中。 ※お願い※yahooなどのオンラインブックマークはご遠慮くださいませ。
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プロフィール
HN:
三条琉瑠
性別:
非公開
自己紹介:
明太子の国在住の社会人。
小咄・小説を書きながら細々と地元イベントにサークル出していたり何だり。
弓受なら大概美味しく頂けます。



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※答えた本人が思いました。ものすっごい長いです(笑)


『角弓角好きな貴女に30の質問』
(配布サイトさま:角弓角同盟


1:まずはHN、サイト名、自己アピールなどどうぞ。
 三条琉瑠。サイト名は悪劇悲意。
 えーと、取り合えず新旧十一番隊絡みの弓受なら美味しく頂けますが
 ハマったきっかけは矢張り角弓です。
2:ちなみに今日の日付は?
 十二月二十日…に一部書いていたのを引き継いで、今四月十六日です。
3:もちろんBLEACH好きですよね?
 大好きです。単純明快斬ったり何だりの和風能力モノ好き。
4:もちろん一角と弓親好きですよね?
 弓が居なければココまでハマることはなかったと思います。
5:どれくらい好き?
 アニメのOPのワンカットにニヤけるくらいには(笑)
6:2人のうちどちらか好きなほうを選べって言われたら?
 ……弓かなぁ。受け子に愛が偏る法則の持ち主なので。

7:BLEACH全キャラの中で一角は何番目に好き?
 4~10くらいの間を行ったり来たり。
8:彼の第一印象は?
 あー、絶対コイツバトルジャンキーだ(率直)
 アニメ版だと「H山さん…ハゲ繋がりの上に斑目繋がりかぁ…」と(笑)
9:彼についてのMy設定などあれば教えてください。
 長いです。
 斑目一角。「斑目」は地名から取った苗字であると思うに一票。
 戌吊程度には治安の悪い下層で産まれた。
 名前は本当は違って、「一角」はある程度大きくなって自分で名乗っていればいい。
 根っからのバトルジャンキーだが、そうなったのは剣八に出会ってから。
 其れまでは生きるため・奪うため・殺すためだけに刃を振るっていた。
 弓親との出会いは…何だろう。過去回想出るまでは霊真院だったんだけど(汗)
 義理人情に厚く人の縁を何より大事にする。
 一度同輩・先輩・後輩になった人間とは付き合いが長い。
 十一番隊で宴会になるときには、真っ先に他の隊の元十一番隊に声をかけまくったり。
 射場さんは喧嘩仲間兼兄貴、恋次は弟みたいな後輩、
 隊長は超えられない絶対の存在、やちるは妹通り越して娘みたいなでも喧嘩仲間(笑)
 弓親は「守りたい」けど「守ることの出来ない」存在。
 隣に居るのが当たり前で、好きだし愛してるんだけど、普通に「守る」ことは出来なくて、
 だけどその理由に気付くことは出来なくて、其処に葛藤していればいい。
10:では弓親は何番目に好き?
 断言します。一番好きです。
11:彼の第一印象は?
 アク強そう…でもこの手のタイプすっごい好みなんだよなぁ。
 棘のある美人さん、でした。つーか凸凹コンビが大好きなので。
12:彼についてのMy設定などあれば教えてください。
 再び長いです。
 綾瀬川弓親。名前の『親』の字から内親王などの血を継ぐ貴族なのではと当初は想像。
 過去回想見てからは、「綾瀬川」は通り名だったのではないかと妄想。
 (綾瀬川=妖し川、という意味があり、人を(様々な意味で)かどわかす川のことだそうで)
 幼い頃は無差別に人を喰らいつくす(霊力を)力があり、忌み子として集落から捨てられた。
 一角に手を引っ張ってもらって初めて、生きようと意志を持ち、力は潜まった。
 美しいものに執着し己の美しいと自負するが、その美意識は一角に好いて貰っているという
 理念の上に成り立っているのではないかと思う。
 ”十一番隊(今の場所)”に居る”綾瀬川弓親(一角が好いてくれる自分)”が美しくて好きなので、
 本当は心底ではただの自分は醜くて嫌だと思っていそう。
 愛されることを知らずに育った為、人付き合いが苦手で、つんとして突っぱねるか
 依存して甘えきる接し方しか出来ない。でも繕い上手なので表面上はいい子を演じている。
 鉄さんは兄貴分で人喰い孔雀の能力を知る唯一の人、恋次は一角の後輩、
 隊長は絶対の存在だが甘えきっている節があり、やちるはたったひとり愛しいと愛でる女の子。
 (最初はお互い同類憐れみで近付いたのだが、今は唯一無二の親友だといい)
 一角は、「世界を形作るのに居なくてはならない存在」。
 だけど一角を欺いて笑っている自分を醜く浅ましいと思い、本当に全てを寄りかかれないでいる。

13:貴女は角弓派?それとも弓角派?
 角弓です。リバは食べられません…。
14:ぶっちゃけ、角弓角ってマイナー?
 ぜんッぜん!(真顔)これをマイナーとか言ってたら
 前ジャンルで私が活動していたものは何と呼べばいいんですか(笑)
15:貴女はどのあたりで角弓角を意識し始めましたか?
 「弓親!」「わかってる」
 のシーン。以心伝心なんだけど、何だろう、このそれ以上の…!みたいな。
16:他の「これって角弓角シーンだよね」って思うところを挙げてください。
 二人で並んでいるシーンはどれもそう思えてしまうんです、が(笑)
 個人的好みとしましては、縁側の会話シーン、と、三の字五の字を語る弓親。
17:この2人、片思いですか?それとも両想いですか?
 両想い…なんだけど、最後の一歩が踏み込めない感じかな、と。
 弓親の持つ秘密は恋愛のスパイスになる秘密ではなく、引け目を感じざるを得ない秘密だと想うので、
 それが秘密である限りは、最後の硝子が狭間に立ったままです。
18:2人っていつぐらいに知り合ったと思います?
 原作で出る前は霊央院だったんですけどねー…(遠い目)
 今なら流魂街の端の方にある、死人と犯罪者しか居ないようなうち捨てられた街かな。
19:そのときのお互いの第一印象ってどんなのだったでしょう?
 一角→弓親:変なヤツ。綺麗なのに何処か怖い。世の中そんなに斜めに見てんじゃねェ。
 弓親→一角:変な奴。どうして自分に構うのか解らない。でも下心を持ってないから嫌じゃない。

20:2人の関係ってどれくらいまで?
 それはAとかBとかで答えればいいんでしょうか…?(笑)
 関係で言えば「比翼連理の相手」だと思います。
 だけど同時に「背中合わせの相手」だとも思います。
 対なのだけど、一番近くて一番遠くにも感じる関係。
21:積極的なのはどちら?
 どちらでも書けますしイイと思います。
 ちょっとテンション高い弓ががんがん積極的に好き好きオーラ出しててもいいし、
 ちょっと悪チックな一角が引っ張ってくっついてちょっかい出すのもいい。
22:2人がよく行くデートスポットはどこでしょう?
 お互いの部屋。
 いや何か外の場所に向かうとなると趣向合わなさそうな気がするんですよね…。
23:2人の関係は、公認?それとも秘密?
 公然の秘密(笑)
24:他にもなにかいろいろ妄想したことなどありましたら思う存分語ってください。
 いやぁもう殆ど上で喋っちゃったなぁ…(笑)

25:角弓角でオンライン活動してますか?
 現在進行形で行っております。
26:ではオフライン活動は?YESの場合は概要・宣伝なども。
 はい、えーと。
 弓受中心小説本オンリーで活動しておりますサークル『秘姫堂』。
 主な活動拠点は明太子の国でオンリーやドームなどの大型イベント。
 余裕できたら小倉や実家の方にも遠征してみたいところですが。
 現在の在庫は角弓前提の剣弓・鉄弓本と、
 大真面目に「弓親が女の子だったら」をシリアスに捏造する「鳥籠」シリーズ。
 今度イベント出るときの新刊は角弓本です。ほのぼのコメディかシリアスかは未定。
27:角弓角の魅力って何でしょう?
 凸凹コンビと、其れに収まりきれない熱さ。
28:あなたにとって角弓角とは?
 今のジャンルに来るきっかけになったモノ。
 正直角弓にハマらなかったら、ココまで来ていません。
29:久保先生に今後の希望などあれば。
 弓親にも、弓親にもちょっとは出番上げてください…!動く背景は哀しいですよ…
30:お疲れ様でした!最後にひとこと。
 えーと、では一言。
 My設定、長ッ!(笑)
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 誰と、誰が、いつのどこで、何をする。

 一角と、弓親が、現世のマンションの一室で、一日かぎりの新婚生活。


 <いつどこはにかみ 角弓 2>


「おかえりなさい、ご飯にする?お風呂にする?それとも離婚?」
「早ぇよ」

 新妻の三つの神器なピンクのフリルエプロンに笑顔に三つ指。
これだけ揃えたにも関わらず、笑顔の弓親が吐いた言葉はお約束からは程遠いモノだった。
これまたお約束とばかりに似合わないスーツを着た一角は、靴を脱ぎながらしっかりツッコんだ。
 現世のどこにでもありそうなマンションの一室。
きちんと整えられた室内には所々に花が飾られており、ドコからどう見ても暖かな新婚家庭、だった。

「つーか何だこの服、すげェ動き辛ェ…現世の連中はこンなモンで仕事してんのかよ」

 鞄を弓親に預けた一角が、堅苦しいスーツの上着をばさりと脱ぎ、食卓の椅子にかけた。
動きやすい軽装を好む一角には、どうにも暑苦しくて合わないようだ。
預かった鞄を箪笥の前に置きながら、その様子に弓親は思わずくすくすと笑みを浮かべる。

「そりゃあ、それは現世のデスクワーカー用の服だもの。一角に合わなくて当然でしょ?」
「ったく、何だって俺がこんなカッコしねェといけねぇんだっつの」
「しょうがないよ。そういう指令なんだし」

 どうも今回は、ごく一般のサラリーマン新婚家庭、らしい。
ぶつくさ言いつつネクタイの結び目に指を入れしゅるっと乱雑に緩めると、一角は食卓についた。

「じゃあ、ご飯にする?」
「んにゃ…オーイ、ちょっと来い」

 台所に向かい始める弓親を呼び止めて、一角はちょいっと手招きをした。
食事の準備をしようと簡素にアップにした髪から手を離し、何?と不思議そうに弓親は身を寄せる。
柔らかな色のTシャツと短パンとスリッパ、という簡単な姿が、一角の目の前に来たその時。

 ひょいっ。

「ッ!!?な、何、なにっ?!」

 一瞬。本当に一瞬だった。
所謂これも新婚生活のお約束の一部。旦那が奥様をお姫様抱っこ。
一角は足で行儀悪く襖を開けると、薄暗い部屋のベッドに弓親を放り投げ、圧し掛かった。

「ちょ、っと、本当に何なのさ一角ッ!」
「ウルセェ。俺ぁとっととこンな下らねェこと終わらせてェんだ!」
「だからって、ちょ…一角の馬鹿ッ!!そんなのココに書ける訳ないじゃない!このブログ終わらす気!?」
「あァ?知るかンなコト!新婚生活すりゃ終わるんだろうが!とっとと夜の営みで終わらせンのが一番だっつの!」

 じったばったと柔らかなベッドの上で暴れる弓親の手首を、がしっと押さえて。
半分ヤケになっている一角が、サッサとコトを済ませてしまおうと体重をかける。
きしっとベッドのスプリングが軋み、その重みに弓親が眉を顰めたのを見て、
一角は押さえていた手首を片手に束ねると、開いた手で弓親の短パンに手をかけた。が。

 ば、きッ!!

「…っく、てめッ……脇腹は反則だろうが…!」
「一角、サイッテー…」

 渾身の奥様キックが脇腹に炸裂!
夜のプロレスは幕が開く間もなく1RKOで決着だー!
…そんな実況をしたくなるような光景が、色っぽさもへったくれもなくなったベッドの上で、
今まさに間違いなく現在進行形で、展開されていた。
 はー、はーっ、と息を荒くし涙目で後ずさる弓親は、枕を手に持って防御体勢に入る。
暫く悶絶していた一角が脇腹を押さえながらゆらりと立ち上がったとき、2Rのゴングが鳴った。

「テメェ…頭に来た。ゼッテェ泣かす…!」
「やってみなよ…絶対やらせないんだから…!」


 コレ何てドメスティックバイオレンス?

 そんな疑問も空しく、痴話喧嘩というには余りにも力の強すぎる、いっそ取っ組み合いが始まった。

 ていうか純粋にバイオレンス。

<この番組はお詫びの提供でお送りしました>

マッドでサイコなモノだけなのは忍びないので、お詫びショート。
寧ろお詫びショートにお詫びしなくてはならないようなオチでゴメンナサイ(笑)
期待していた方ゴメンナサイ。でも書いていた本人は本気で楽しかったです(笑)
※ダークでサイコでマッドな弓の短編。
 微グロ。耐性のない方は読み飛ばし推奨。

ひぐらしのなく頃に読んでいたらこんな感じの話が書きたくなりましたゴメンナサイ…



 もしもこの命尽きて生まれ変われるのなら


 慈悲心鳥になれれば良いのに


 <MD XXX>


 蝶が、死んでいた。
 夏の暑い日だった。
 鳥に羽毟られ屑になった体。
 壊されることを羨んだ僕の瞳は冷たかっただろう。

 僕はお墓を作ってあげた。
 掘るモノがなかったから大き目の包丁で。
 隊舎の庭の木陰を選んで、一心不乱に掘り返した。
 夏の暑い日だったから、あっという間に汗が浮かび、肌を転がってく。

 もしも僕が死んだなら。
 骨も残さず消えてしまえればいいと思う。
 死した屍を晒すなんて醜いことは耐えられない。
 花霞のように消えてしまい、皆の前に二度と現れなければいいのに。

 もしも僕が死ぬのなら。
 愛しい人に斬り殺されたい。
 殺められて、踏みつけられて。
 最後に愛しい人を瞳に焼き付けて逝けるのなら。

 僕は己の為に生きてはいない。
 ただ、この場所が好きで、この場所が全てで。
 此処に居たいと思うたったひとつの信条だけが、僕を生かし続ける。
 だから僕はこの身体を、命を、魂を、全て残らずこの場所に捧げて生きる。

 あらかた掘った穴に蝶の残骸を入れたとき。
 包丁で地面を掘る僕がおかしいのか、一角が来た。
 確かにおかしいだろう。少なくとも一角が同じことをしていれば、僕は止める。
 きろりと一角を上目遣いみ見詰めた目線は、感情を乗せる余裕がなく、空ろで。


 「――何でもないよ――蝶の墓を作っていただけ――」


 土を被せて大地に戻す。
 面倒起こすなと言う一角に、そんなんじゃないと言葉を返して。
 嗚呼可笑しい。何でもない筈なのに、喉の奥からくつくつと笑いが込み上げる。
 盛り土を作って完成させた墓に軽く手を合わせると、僕は立ち上がって一角を見詰めた。


 蜩の啼く声が、夏の熱線を浴びてじりじり焼ける。


 「ねぇ一角、僕ね――死んだら、慈悲心鳥になりたい」


 そうすれば何も考えず


 この場所を想って啼けるから

 <MAD END>
サイコでホラーチックな弓。
弓は十一番隊の為に生きていて、十一番隊のためなら死をも殺しをも厭わないんじゃないか、と。
でもそれは、一角の延長線上で、だけど一角だけを拠り所にするには心は大きすぎて。
だから”更木隊”としての十一番隊全てを拠り所にしていればいいと思う。

慈悲心鳥=十一と鳴く鳥。別名ジゥイチ。
今晩は。
流石にこの時間だと十五日の日記とは言い張れません三条です
(※現在の時間は夜八時)

昨日はお題仕上げてそのまま真夜中テンソンに突入して
明け方までわーっとお話していました…日記書かずにゴメンなさい。

さっきまでジュースのストローを原型とどめないくらいに
がじがじ噛んでましたよほぼ無意識に…!
あぁ、無意識ストレスなんだろうなぁ。明日が月曜ってことが
怖いんだろうなぁ…ちくせぅ、いい加減このチキン体質どうにかしたい。

まぁそれはさて置き。
昨日のお題はテンションをこれでもか!というほど高くする
BGMでもって書きました。書くときBGMないと書けない派です。
ちなみに昨日のBGMは貰い物音楽で
「さくらんぼキッス」「Princess Bride!」
「恋愛CHU!」…もう何なんだこのハイテンションっぷり(笑)
しかし問題は、コレらが三つとも世に言う電波ソングだと言うことでしょうか(笑)
…いやね、私コレ三つが入ったCDを職場のバイトさんから貰ったのですが、
そのバイトさんも前のバイト先の男性から貰ったとのこと。
どー見てもカタギのバイトさんにこの三つが入ったCDを
プレゼントするなんてどんな人なんだろうと未だに不思議でなりません(笑)



日記に併記で申し訳ありませんが、
皆さん拍手有難う御座います!押していただけるだけで元気になれます♪
そしてぽちぽちと十回目のオマケを見ていただけているようで嬉しいです(笑)

では今から今日の分の更新に取り掛かりますー。
完成予定は日付回る頃です。
ニコペコ/nico peco様の
★角弓スキさんに13のお題★をお借りしました。



「まぁ、そういうわけで」

 拍手を止めた綾瀬川が、憎らしいくらいの笑顔で俺に向き直った。
既に無視を決め込んで頬杖をついたままの俺の目の前にぴっと立ち。

「じゃあ早速、やろっか?」
「”じゃあ”の繋がりが全然解らねぇよ。接続詞の基本に立ち返りやがれ」

 俺の受難と言う名の惨劇の幕が、上がったわけだ。


【題1.13センチ。】(予告編をご覧の上どうぞ)


 ちょっと準備してくる、と言って奥の部屋に引っ込んだ綾瀬川が、顔を見せた。
にこっと満面の笑みで立ちポーズを決め、ご丁寧にくるんと回って見せてくれた。

「どう?」
「…どう、って……何も変わってねぇよな?」

 頭の先から足元まで見て出てきた返事は、正直コレ。
一体どこが、草鹿いわくの『ゆみちゃんとつるりんのじゅうさんせんちを何とかしようの会』の活動なのやら。

「ろっきゅんあさはか~!ちゃーんと変わってるよぉ!」

 随分手厳しい言葉だな、オイ。
俺の隣でぶーぶーと抗議の声を上げる草鹿の声に頭を痛めつつ、
もう一度俺は綾瀬川の全身をじっと見る。浅はか呼ばわりは、頂けねぇ。
何が変わったというのか。それがぱっと解るにはあれか、コイツらが言うところのオトメ心が必要なのか。
 …ふ、と。上から下までの視線が三往復しようかというところで。
俺の目は、微細な間違い探しを見つけて、思わずがたっと席を立ち上がる。
 一歩、二歩、と綾瀬川に近付いて、違いが明白になる。
普段より少し、目線が高い。

「……何履いてんだ?」
「気付いた?あんまり違和感ないでしょ?」

 ふふん、と何故だか綾瀬川は誇らしげに笑って、胸を張った。
貴婦人のドレスをそうするように袴をちょいとつまみ上げ、綾瀬川の足元が露になる。
俺が人目で見抜けなかった理由…ぱっと見、コイツが普段履いている草履と区別がつかなかったモノ。
 …どこかで確かに見たことがあるんだが、コレは何だ?
……というか、何だか、思い出せないほうが幸せな気がしてきた。
いや、思い出すといらん記憶やらを引きずり出しそうな気がした。

「ネムちゃんのミュールを借りてきたの!」
「ね、うちの副隊長凄いでしょ?もー、部下思いなんですから!」
「とーぜんだよっ★ゆみちゃんの幸せを、同じオトメとして祈ってるんだもん!」

 バチコーン★とウィンクをしながら指をぴっと立てる草鹿。
ものすっごい笑顔でくねっとしつつ草鹿を褒める綾瀬川。
いや、それはさて置き、だ。今何て言った?何を借りてきたって?

 よりにもよって”あの”涅ネムの履物を、わざわざ”こんなコトのため”に借りてきたって?

「…なぁ草鹿。涅隊長に…見つからなかったか?」
「うぅん?だって貸してくれたのマユリさんだもん」
「……俺、今ならお前を駄目な方向に尊敬できる自信あるぞ」

 一体どんな顔して、どんな言葉で、貸してもらったんだろうか。
ちょっと想像してみたが、何だか開いてはいけない扉を開きそうな気がしたので、強制終了。
理由を全部話した上で借りてこれたなら…駄目尊敬決定だ。

「別にそれでいいんじゃないか?違和感そんなにないし」

 おおよそ3cm背の伸びた綾瀬川を見ながら、腕組みをして言ってやった。
溜め息交じりなのは流せ。正直、俺は早く解放されたい。
俺の其の言葉に気を良くしたのか、綾瀬川は今にもスキップしそうな勢いで数歩跳ねる。
 ふ、と俺は思い出して、早く飛び出していきたいだろう其の背中に、聞いた。

「なぁ、綾瀬川…お前、射場さんと並ぶのも嫌なのか?」

 確か斑目と射場さんの身長は同じ筈。
それならと聞いた俺に、綾瀬川は心底不思議そうな顔で振り返って。

「なんで?」
「いや何でって…13cmの差が嫌なら嫌じゃねぇのか?」
「別に?鉄さんは鉄さんじゃん」

 どうして射場さんは良くて斑目は駄目なのか。
そこはアレか、もしかしてオトメ心のみぞ知るゾーンなのか。
…気付かなきゃ良かった。多分そうだぜオイ。
 
 まぁ、何はともあれこれで帰れる。
綾瀬川の背中を見送ってそう思った俺ってやっぱり浅はかだったんだな、と。
思い知ったのは、直後のことだった。



「……で、手合わせして派手にすっ転んでオマケに馬鹿にされた、と」

 お前馬鹿だろ、と追い討ちをかけなかったのは、ちょっとだけ俺の優しさだ。
死んだ魚のように机に突っ伏したままぐったりと動かない綾瀬川。
その頭を草鹿がよしよし、と撫でて慰める。何つーか、凄いレアショットなのは間違いないんだけど、な。

 結局ミュールを履いて斑目に会いに行った。そこまでは良かったらしい。
だが戦闘バカの斑目に付き合わされて手合わせになり、
爪先から踏み込んだ瞬間、バランスを崩して派手に前のめりに突っ込んで。
後はこの様子から推して知るべし、だ。

「だって…一角ってば”そんなツッカケ履いてるからだろ”とか言うんだよ…?」
「親父かアイツは」

 今頃ミュールをツッカケとか聞いたことねぇぞ。
アイツの頭の中ではミュールもサンダルもツッカケも同じものなんだろうな。間違いない。
取り合えず作戦失敗ということで解散していいものか、と
茶を啜りながら虚空を見上げていた俺の耳に、草鹿の元気な声が届いた。

「ゆみちゃん、元気出して。大丈夫だよ、あたしがまた借りてきてあげる!」

 ね?と満面の笑みを見せる草鹿。
その自信は何処から出てくるんだろうか。そんなちっちゃな体のドコから。
そんな草鹿が俺のほうを向いて、もう一度、ね?と笑みを見せた。
 ……いや、本当に何となくなんだがな。
嫌な予感は当たるモンだって、最初に言い出したのは誰なんだろうな。



「かーなーちゃんっ!お願いきいてー!」

 元気な少女の声が、九番隊隊舎の廊下にこだました。
その声に、部屋の主が穏やかな笑みを浮かべながら障子を開き、
背の高いその身を屈め、小柄な少女と同じ高さに視線を落として。

「やちるちゃん…今日はどうしたのかな?」
「あのねっ、かなちゃんじゃないとできないお願いなの!」
「そう…私でよかったら…どんなお願いなんだい?」
「あのねあのねっ、かなちゃんの靴を貸してほし

「人の隊の隊長になんつー下らないお願いしようとしてんだ草鹿ー!!!」

 置いてけぼりにされた十一番隊隊舎から此処まで、恐らく最短記録で走り抜けただろう。
得意の歩法を惜しげもなくフル活用した俺の身体は、残像も残らぬ速さで此処まで来て。
大声を出した後ぜぇはぁと息を切らす俺を不思議そうに見遣る東仙隊長。
そんな間にも、草鹿は話を進めようとしやがった。

「かなちゃんのお靴!うちのゆみちゃんに貸してほしいの!」
「ゆみちゃん……もしかして、綾瀬川君のことかな?」
「いや、隊長ッ、聞かないでいいですよ…も、下らないことですから…」

 我が隊の尊愛する隊長は、優しくて、人が良くて…ちょっと、天然だ。
そんな隊長が押し切られたら嫌という筈ない。断言出来る。
隊長を守るのも副隊長の役目と言うなら、俺は何が何でも隊長を守らなくてはならない。
つーかそんな下らない会に隊長まで巻き込めるか!
きっと隊長のことだから、何があったどうしたと楽しそうに嬉しそうに狛村隊長辺りに話して、
同席している俺が何とも言えない目で見られるんだ…それは勘弁こうむりたい。
 平素がそうだってのに、これ以上面倒増やしてなるものか…!

 そんな俺の騎士精神は、草鹿の言葉で容易く崩壊を迎えたのであった。

「お願いっ!ゆみちゃんのしあわせのためなの!」
「…綾瀬川君の、しあわせの、ため…?」
「そう!そしてそれはね、かなちゃんにしか出来ないことなの…お願い!」

 うるうるっと瞳を潤ませて、胸の前で手を組んで、真摯にお願いする草鹿。
しかも言葉はことごとく隊長のポイントを突きやがった。
隊長が…優しくて人が良くて、疑うことを知らないような超のつく天然のこの人が、
そんないたいけな少女の願いを快く聞かないなんてコト、ありえない。
 あぁもう何ていうか草鹿を見る顔が嬉しそうだ!
そりゃそうだろう、人の幸せのお手伝いを出来るんだ。
普段から七夕の短冊に”世界平和”をお願いするような人なんだ。
皆の幸せを願ってやまない人だし、その為には何をもいとわない人だし。
そんな所を心底尊愛しているから、俺はこの人の副隊長で居たいと思う。

 騎士が幾ら頑張っても君主が自ら無血開城しちゃった場合ってのは、
忠誠心高らかな騎士はどうしたらいいモンだかな?



「有難う、檜佐木副隊長。わざわざ持ってきてもらって」
「礼は言い。つか言うな、ムカつくから」

 あのままだとこの場所まで来そうな勢いだった東仙隊長を何とか説得して、
結局俺が隊長の靴を持ってくることで収まった。ナイス、俺。

「言っとくけど汚したりするなよ?折角隊長が貸してくれたんだからな?」
「そこまでモラルない人間じゃないよ…失礼だなぁ」
「お前の知るモラルと俺が知る世間一般のモラルには隔たりがあるように思えるからな、念のためだ」

 慣れない手つきでブーツを履く綾瀬川に、俺は冷ややかな視線と言葉を投げた。
そもそもお前にモラルがあるというのなら、こんな事に俺を巻き込むんじゃねぇ、と、
悪態ついてやろうかと思ったがそれは疲れるだけのような気がして、言葉を飲み込んだ。
 やがて真っ白なブーツに足元が包まれると、よし、と一声かけて綾瀬川は立ち上がった。
先程よりもまた、身長の差がそれだけでゼロに近付く。

「結構これ高いね…何センチくらいあるんだろ、底」
「あー…確か6cmくらいって言ってたな、隊長」
「6cmかぁ………」
「…何だよ、人の顔じっと見やがって」
「ブーツを抜いでも自分より高い人が好きなんて、君、かわいそう…」
「激しくほっとけ!次ソコに触れてみろ、蹴倒すぞ!」

 かわいそうな目で俺を見るな。
人の傷口を爪先でぐりぐりっと抉った上に塩を塗りこんでくれる言葉が痛ぇんだよ。
自分のこめかみに青筋がぴしりと立つのを感じ、やっぱ一発蹴り入れてやろうかと思ったとき。

「おー、弓親お前こんなトコに居た…って何だ、副隊長と檜佐木も一緒かよ。何してんだ?」

 廊下を通りかかった斑目が、入り口から顔を覗かせた。
何も知らないっつぅのは幸せだけど罪でもあるよな、と大仰に肩を竦めて別に、と返して。
綾瀬川は明らかに嬉しそうな笑みを浮かべ、ととっと斑目の傍に寄った。
視線がいつもより高いので上機嫌なのだろう、くるくるっと舞うようにステップを踏んでは
近寄り、すれ違うようにして、横に並んだり、と。
 有頂天って今の綾瀬川のためにあるような言葉だよなぁ、と目のやり場に困って横を向くと、
草鹿がにまーっと嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

「いーっかく、もしかして、探してくれてた?」
「イヤ、そういうワケじゃねェけどよ。お前今日様子おかしいな…って、お前何してんだ」
「え?解る?解っちゃう?」

 うきうきっと満面の笑みを浮かべて綾瀬川は斑目の目の前でストップした。
あれで普通に受け答えしている斑目を、俺はちょっと尊敬する。
俺ならきっと、拳叩き込んでると思う。浮かれすぎていっそ阿呆くさい。
 はぁーっと深い溜め息をつきつつ事の顛末を見守ってると。
斑目が、綾瀬川の肩を数度ぽんぽん、と叩き、うん、と一人何かを頷いた。

「脱げ」
「え?!…や、やだなぁ一角こんなトコで脱げなんて大胆…」
「靴脱ぐのが大胆か?いいから脱げって。調子狂うしよ」

 多分、今の俺って鳩が豆鉄砲食らったような顔してるんだろうな。
でもそれは俺だけじゃなくて、綾瀬川も、ついでに草鹿も。
総唖然状態の俺たちに不思議そうに眉を顰めながら、斑目が言葉を続ける。
俺は思った。コイツきっと、天然のタラシなんだろうなぁ、と。

「つーか、肩に手ェ置きにくいし、回しにくいし。お前じゃねェみたいで落ち着かねェから」



「お帰り檜佐木…あぁ、わざわざ靴を持ってきてくれたのかい?」
「えぇ、綾瀬川にここまで来させるのも何だったんで…」
「済まないね……どうだったかな、綾瀬川君は」
「あぁ、伝言たまわってます。”本当に有難う御座いました。おかげでしあわせになれました”と」
「そう…良かった……」

 ”13センチの嬉しさを再確認できたのでしあわせになれました”なんて言える筈もなく。
嬉しそうにふわりと微笑む隊長に、俺はそれ以上の言葉を出すことは出来なかった。


 綾瀬川、俺の時間と苦労、利子つけて返せ。

<END>
角弓で、さりげに修要です(笑)
やっちの”ろっきゅん”呼びは、ほっぺのアレが由来で。
ちょっとハイテンションでオトメなゆみちで書いてみました。
13センチって結構ありますよね。ほぼ理想のカップル身長差じゃないか…!
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