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三条琉瑠@秘姫堂のHP兼ブログ。BLEACHで弓受で徒然なるままに。 新旧十一番隊最愛。角弓・剣弓・鉄弓などパッションの赴くままに製作中。パラレルなども取り扱い中。 ※お願い※yahooなどのオンラインブックマークはご遠慮くださいませ。
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プロフィール
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三条琉瑠
性別:
非公開
自己紹介:
明太子の国在住の社会人。
小咄・小説を書きながら細々と地元イベントにサークル出していたり何だり。
弓受なら大概美味しく頂けます。



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※女の子弓。コスプレネタにつき本文格納。続き物。


 目は口ほどに語る、とは良く言ったものである。
書類を運んできた九番隊副隊長とお供の席官は、ただ無言で、出迎えた相手を見詰めていた。
お互いが言葉もなく膠着して暫し、檜佐木が口を開いた。

「……あー、まぁ何だ……大変だな、お前も」
「ッ…そんな目で僕を見るな…!」

 扉を開けたのがメイドさんというのは、何てトラップなのだろう?


 <MASTER, MAI”D”OLL HERE~2:月曜日>
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※パラレル注意。前回の続きです



〔 -Over-  Chapter.1-1 〕



 人の流れの緩やかな、平日の昼下がり。
そこそこの規模と繁盛具合を持つアーケードを、コンビニの袋を片手に男が歩いていた。
昔ながらのその軒並みは、メインストリートから一本横に反れれば
同じアーケードの中とは思えない昭和の空間が、姿を現す。
 石畳の上に不釣合いな畳を張った椅子が見えれば、男の帰る場所は直ぐ其処だった。
アーケードの屋根より僅かに高い四階建ての古いビル。
店子になっている一階の工務店に脇に設えた階段を登ると、職場兼棲家が姿を現した。

 -『更木探偵事務所』-

 硝子部分にそう白く書かれた扉を開けると、馴染んだ煙草の匂いが、男を出迎えた。

「ただいまー。昼飯買って来たぜー」
「あ、一角さんお疲れ様です」

 手近な机にどさっとビニール袋を置くと、後輩の恋次が手を止めて手伝いに来た。
メモ通りに袋の中身を選別すると、其処に四人分の食事が用意された。
其の中のひとつをひょいと摘み上げると、部屋の隅でお茶の準備をしていた部下に、
眉間に皺を寄せつつオーバースローで思いっきり投げつける。

「オイ荒巻、テメェこンなモン頼むンじゃねぇよボケ!」

 かこんっ。

「痛っ…な、投げつけないで下さいよ斑目さん~」
「うわー…こりゃまた可愛らしいお菓子で…」

 桃色のパッケージの季節限定チョコレート。
これをコンビニのレジに一緒に出した時の、店員の何とも言えない顔を思い出して
一角は益々苦虫を噛み潰したような顔になりつつ、自分の飲み物を手に取った。

「恋次、飯にすっから所長呼んできてくれや」
「あ、はい」


 一見すると極道集団にしか見えないが、此処は一応、探偵事務所である。
尤も、真っ当な探偵事務所のような依頼は受けない。というより、来ない。
(稀に間違えたのか普通の依頼主が来るのだが、扉を開けて5分持った依頼主は居ない)
此処で受けるのは、真っ当な探偵事務所には頼めないようなドロドロとした中身のものが主。
裏社会の探索やら調べ物やら、犯罪にならない事は一通り受け付ける。
――そう考えれば、極道集団と考えてもいささか間違いではないのだが。
 或いは、世間一般からは爪弾きされるような、普通ではない依頼。
現に、アルバイトである恋次が此処を訪れた理由は、『神隠しにあった友人を探して欲しい』だった。
ある日いきなり居なくなった友人が何処に行ったのかは、未だに手がかりも無い。
だが、もし裏社会の人間が何か関わっているのなら、いつか解るかも知れない。
そう考えてアルバイトとして居ついたのも、既に二年ほど前の話しである。

 経営状況を見れば、完全な道楽である。
というより、元々経営云々を考えて作られた場所でもなければ、誰一人として
まともに探偵をしている気はない。今居るメンバーも過去に在籍していた人間も、
皆とある筋から流れてきた荒くれモノであった。
 そんな探偵事務所の所長として設立から存立しているのが。

「暇だな…一発殺人事件でも起こんねェモンか、なァ?」
「物騒な事言わないで下さい所長…!この間ひったくり捕まえたとき、やりすぎって注意されたでしょうが…」

 所長室から姿を現した、長身の猛々しい男、更木剣八である。


 がさがさ、と無機質なビニール袋を破る音が響く。
10畳ほどの部屋の中、椅子やソファに思い思いに座って食事を取るのが、当たり前の風景だった。

「つか恋次、お前さっきの声コッチまで響いてたぞ」
「だってそりゃ、所長が物騒な事言うからですよ…」
「アァ?テメェは冗談も解ンねェのか」
「イヤ、すいません所長が言うと全くちっとも冗談には聞こえないんですけど…」

 顔を青くして緑茶をぐっと喉に流し込む恋次。
いい加減慣れろよな、と笑いつつ一角が二個目のからあげを口に放り込んだとき。


 ガシャン――ドサッ!!


 いきなり、大きな硝子を叩き割ったような音と、
少し遅れて物を床に落としたような音、そして軽い揺れが、天井から聞こえた。
ぱら、と天井から塗装の破片が、応接テーブルに落ちる。
 四人の視線が、各々の部屋になっている階上に集中する。
暫く食事の音だけが響いていた静かな事務室に、所長が鶴の一声を落とした。

「荒巻、見てこい」
「へ!?……あ、イヤ、行かせていただきます」

 情けない背中が居住スペースへの扉の向こうに消え、
階段を登るきしきしという音が静かな室内に響く。
訪れた静寂に三人が食事を再開したのも束の間、どたどたどたという
けたたましい足音が響き、戻ってきた荒巻が開口一番、叫んだ。

「所長、ふにふにでした!」

 バキャッ!

「馬鹿野郎、訳わかんねェだろうが」
「いや所長、それ殴り飛ばす前に言っておきましょうよ…!」

 右ストレートにより吹き飛んだ荒巻をよそに、思わずツッコミが入った。
そのまま歩き始めた所長の後をついて、恋次も上階へ上がる。
三階の廊下の端、半開きになっている物置の中に、”それ”は静かに眠っていた。


 細くしなやかな、少しだけ癖のある淡い桃色の髪。
ふわりと柔らかく、確かに”ふにふに”の頬。
フォーマルワンピースというには少しだけレースの多い服は、
眠る幼い少女の身体を守るように覆っていた。




 高いビルの上、避雷針の上に足先を下ろして弓親は立っていた。
あの世界の出口から目的の世界に出られたまでは良かったが、
無理やり繋がれた出口を使ったせいで、はぐれてしまったのだ。

(それにしても、『創世』と『門』の能力を併せ持っているなんて…)

 まさか、矢張り。
僅かに眉が顰められる…が、ふ、と表情は緩やかに戻った。

(……関係ない。僕は、あの子の生きたいように、進ませてあげたいだけ)

 睫毛につけている虹色の飾りに触れ、目をそっと閉じる。
ぱり、と空気が僅かに音を立て振動し、風がびゅうと吹いた。

(―――見つけた)


<Next...>
※パラレル注意。原作の世界観とは違う世界・能力等で設定しています。
いきなりワンシーンのみ描いています。西洋風。前提は剣やちで角弓。
今回はバトルシーンのみ。弓・やち・砕蜂。


 籠の意味が解らなかった。

 だから、あの”箱庭”から出ようと思った。


 空を、見てみたくて。


 〔 -Over- 〕


 空が、崩壊する音がする。
比喩ではないのだ。現に、この”世界”では。
球状の空間に無数の時計塔がひしめき合っているこの世界では、空は地、地は空。
がざがざと音を立て、地から剥がれた建物が、空へ落ちていく。
 時計針の音が、不気味に響く其の中で、蠢くふたつの影があった。
光のように走り、音のように響き、風のようにぶつかり合う。
其れは明らかな――戦い、だった。

「やァ、ッ――!!」

 カタールが、風を切る。
横走りに残影が揺れるたび、時計塔がひとつふたつ、欠片を落とし、崩壊していく。
並び立つ塔を足場に右に左にと素早く揺れる少女の影は、確実に獲物を捕らえていた。
 だが、獲物は全ての刃を間一髪でかわし、次の足場へと飛ぶ。
果ての見えない鬼事のように見えた其れに転機を仕掛けたのは、追われていた影であった。

 広い屋根を持つ時計塔のひとつに降り立ち、追ってくる影を振り返る。
その唇が、静かに召還の詠唱を紡いだ。

「――咲け」


 ギィ、ン―――!


 突き出されたカタールを、呼び出されたショテルの刃が受け止める。
刀の曲線で受け止めたまま、流すように外へ払った。
払われて押し出された体が緩やかに弧を描き、同じ舞台へと着地する。
 静止は、刹那。
言葉など要らなかった。追う者と追われる者。
仕留める者と抗う者。共通する思考はただ一つ。『倒せ』。


「尽敵螫殺!」
「咲き狂え!」

 鋭利な爪刃と化したカタールと、複刃に姿を変えたショテルが、火花を散らす。
『突く』武器が仕掛ければ、『払う』武器が刃で防ぎ、
『払う』武器が仕掛ければ、相手は距離を取り仕掛けなおす。
 リーチの短いカタールの駆使に必要なものは、速度と白兵戦能力。
其の双方を達人の域にまで極めている砕蜂が、それでも尚仕留め損ねている。
身体能力では若干分が悪い筈の弓親が、善戦しているのには理由があった。
ひとつは、扱いが非常に難しいショテルを手の延長のように使いこなす剣技を有していること。
そしてもう一つは――。

「……ねぇ、怖いかな?」

 にや、と浮かべた笑みに、砕蜂ははっと息を呑み、距離を取る。
弓親が持つショテルが、妖しく翡翠色の光を浮かべた。

 
 ――相手をするのに慎重になり、一撃で仕留めるのを躊躇うほどの奥の手を、有していること。


 暫し向かい合ったままの膠着状態が続いていた其処に終わりを告げたのは、
砕蜂でも弓親でもない、第三者の声だった。

「帰って」

 鈴の鳴るような幼い声に共鳴するように、『世界』が崩壊を始める。
崩れ落ちる空と地に、砕蜂は声の主が見える位置に飛び移ると、きっと強く睨みつけた。

「……逃げられると思うな。何処に逃げようと、必ず追い、捕らえる」
「やだ。あたしは帰らないもん。それより…帰らなくていいの?滅んじゃうよ?」

 チッ、と舌打ちをひとつ残して飛び上がると、砕蜂の姿は消えた。
崩壊を続ける世界の中、弓親はショテルを掌から消し去ると、声の主の元へ飛び移る。
 『世界』に不釣合いな桃色の髪の幼い少女は、暫く無表情に砕蜂が居た場所を眺めていたが、
横に来た弓親を見上げ、にぱ、と屈託の無い笑みを浮かべる。
くるんと身を翻すと、ゴシック調の真っ黒なスカートがふわりと揺れた。

「ゆみちゃん、いこっ。出口、繋いどいたから」

 やちるが指差した先の時計の文字盤が、金庫の扉のようにギィと開く。
真っ黒なその出口へと楽しげに歩を進めるやちるに、弓親は笑みを浮かべた。

「…えぇ。参りましょう」



 籠に閉じ込められお人形を与えられ、何不自由なく育てられた。

 だけどそれはあたしを守る為じゃなかった。

 あたしを閉じ込めて、封印して、大人しくさせるために、”箱庭”は”籠”を作った。


 だけど気付いたから、あたしは”箱庭”を出た。

 あたし自身と、お人形を連れて。


 絵本でしか見たことの無い、空を見たくて。

<Next...>
※女の子弓。コスプレネタ注意。


 それは、書類を運んできた四番隊隊員の持ってきていた衣装箱から始まった。

「見てみてゆみちゃんっ、綺麗なお洋服~」

 事務仕事を一手に任されている弓親が書類の受け渡しを行っていた横で、
無邪気な副隊長が衣装箱から一着取り出し、両手に持ってはしゃぎ始めた。
 死覇装と同じ、白と黒のコントラスト。
なのにまるで違う洋服の其れは、ふわりとしたスカートやひらひらのレースで彩られ、
やちるのオトメ心を存分に刺激したらしく、今は彼女に掲げられひらりと踊っている。

「副隊長、勝手に出してはいけませんよ?」
「ッ、も、申し訳ありません綾瀬川五席、私が箱に錠をかけていなかったからで…」
「あぁ、君は気にしないで?…確かに、綺麗な服だもの。目を奪われるよ」

 目の前で平伏する四番隊の平隊員に優しく声をかけ、
やちるを手招くと、その手から洋服をやんわりと取り上げ、箱に収めようとした。

「ゆみちゃんソレ仕舞っちゃやー!綺麗なのにもったいないよー」
「でも、副隊長が着るには大きいでしょう?」
「じゃ、ゆみちゃんが着て!命令!」

 ぴしっ、と、元気良くやちるの指が弓親を指した。
さてどうしたものか、と弓親がちら、と横目で運んできた本人を見れば、
その本人の方が困りきった様子で、縋るように見上げている。
 こうなったやちるに勝てるわけもない。正に地頭と泣く子には何とやら、だ。
長年の経験からそれを悟っている弓親は、淑やかな笑みで、四番隊の隊員に聞いた。

「ねぇ、君、この服の着付け出来る?」
「は……っ、はい、大丈夫です!」
「わーい、やったぁ★」


 <MASTER, MAI”D”OLL HERE>


 五席が四番隊の平隊員が持ってきた書類を受け取ると言って早一時間。
荒巻は渡り廊下で、どうしようかと悩んでいた。
仕事が進まねェからお前探して来い、と隊長と三席に部屋を追い出されたのは十分前。
今居る廊下の障子の向こう側に五席…と、副隊長が居るのは確かだ。
 声が聞こえる。そう、物凄ーく楽しそうで、入るのをちょっと躊躇う声が。
別に楽しそうなところを邪魔するのを躊躇ってるわけではなくて。
こう、何というか…中から女三人の声が聞こえて、いわゆるオトメの花園状態なのだ。

「…これで完成ですが…苦しくありませんか?」
「大丈夫。ちょっと…足元が涼しいけど…」
「でもゆみちゃんカワイイよー!似合ってるよ、ぜったい!」

 それにどうも中では、件の五席がお着替え中らしい。
そりゃあ、ガードがっちりのあの柔肌を拝めるものなら覗いてみたい。
…が、そんなことしたらまず命はないだろう。確実に十回は色んな方向から死ぬ。
 なら外から声をかけるしかないのだが、それにしてもどうしよう。
イヤ、それよりココでもう少し中から零れる声を楽しんだほうが自分に得なんじゃないか。
そんなことを思いながら、既に数分、廊下でじっと聞き耳を立てていたのである。

「コラァ荒巻!テメェ弓親も捜さねェで、何油売ってやがんだアホ!」
「ひょへっ!?い、いや斑目三席、別に探してないわけじゃなくてですね…!」
「ア?…ンだ、ココかよ。さっさと入って連れ戻せっつの。オイ弓親ー」

 業を煮やしたのかサボりの口実か、肩に斬魄刀をひっかけてやってきた三席。
彼がオトメの花園のその障子を開くのに、躊躇も何もなかった。
止める暇すらも。そう、どうしようか考えても、既にアフターカーニバル。

「―――ァー……ってお前何だそりゃ!?」
「っ!?ちょ、一角、何いきなり入ってきてるのさ!」


 振り返ると、膝丈のスカートがひらんと揺れた。
足元を覆うのは、薄手の黒のストッキング。
糊をきかせた純白のブラウスの袖は、華やかなパフスリーブ。
襟元を飾る寄せレースの細工は、煩くならないよう纏められており。
真っ黒なジャンパースカートの裾裏に寄せ縫い付けられた白いフリルは、
パニエのようにスカートの裾をふわりと持ち上げ、己自身も彩りとなり。
黒髪と黒い服によく映える白のフリルは、ヘッドドレスとエプロンドレスを飾っていた。

「……新手の死覇装か?」
「何でさ…こんな死覇装で、どう戦えっていうのさ」
「俺はイイと思うぜ?寧ろ眼福」
「一角、最低」

 まじまじと、形容するなら”穴が開きそうなほど”、邪な目線で一角は弓親を見詰めた。
肌の露出度なら平素+腕程度なのだが(いや、それでも露出が多いと感じる方なのだが)
サラシを外した胸は柔らかに丘を描いているし、ひらひらとするスカートから
膝下を覗かせる足は、すっと細くしなやかで。

「違うよつるりんー。これね、”めいどさん”なんだよっ★」
「明度だか冥土だか知らねェよ、つかつるりん言うなつってンだろドチビ」
「一角、喧嘩ふっかけないでよね。追い出すよ?」
「つーか”めいどさん”なら『お帰りなさいませご主人様★』くらい言いやがれってンだ」
「……え?何それ。もしかして僕のせい?」

 夫婦漫才、と言えばいいだろうか。
ああいえばこういうの会話を始めた三席、五席、ついでに副隊長に、
荒巻と四番隊の平隊員は思わず困った顔を見合わせた。
初めて会うはずなのに、何故か妙に気が合った気がして、どちらともなくお辞儀をする。
 そんな、一風混沌空間に、ずしりとした霊圧が訪れた。

「……どいつもコイツも居なくなりやがって…オイ。ついでに何だそりゃア」
「おぅわぁ隊長ッ!?」
「ざ、ッ、更木隊長!」

 荒巻と四番隊の平隊員の声が、ユニゾンした。
ぎょろりと目線で説明を促されるも、初めて間近で見る隊長に声も出ない。
弓親はそれに気付くと一角との口論を止め、隊長に説明を始めた。

「現世の昔の女給の制服、だそうです。四番隊の倉庫で眠っていたとかで」
「はン…何だ、中々面白いモンがあるじゃねェか」

 僅かに愉しさの乗った声に、ヤバイ、と弓親は思った。
周りで見る分やフォローに回る分にはいいのだが、
この状態の隊長に標的にされるのはとんでもない。
…解っているのだが、既にどうにも出来なかった。

「オイ、ソコの見ねぇ顔」
「はっ、はい…!」
「この服、貰っちまって構わねぇなァ?」
「も、ッ、勿論、全然、全く、かまいませ…ん…」
「じゃア貰うぜ。サッサと帰れ」

 霊圧に当てられたのか動くことも侭為らない四番隊の隊員を荒巻が抱え上げ、部屋の外に連れて行く。
嫌な予感で逃げ出したい気満々の弓親の予想そのままに、
隊長はとんでもないことを言い出した。

「丁度いい。テメェ、今週はその格好で仕事すりゃアいいじゃねェか」
「は…?」
「さーんせー★ゆみちゃんカワイイもん!見てたいし!」
「あー、イイんじゃねェすか?別に支障なさそうですし」
「ちょ、副隊長、一角…!」

 慌てて抗議の声を上げる弓親に、実は隊長以上に標的にされたくないやちるが、
ぴっと人差し指を立て、きっぱしと言い放った。

「それにゆみちゃんっ、”めいどさん”は”ご奉仕”しなくちゃダメなんだよっ?」


 僕の格好は”メイドさん”ではなく”メイド”です。
そう言えぬまま、長い一週間が幕を開いたのであった。

<続…?>
というわけで、澪さまよりリクエスト頂いたネタをいただきまして。
『コスプレでメイドな女の子弓親』です(笑)
メイドな弓ちが過ごす一週間を、オールキャラ気味に書いていこうと思います。
澪さまリクネタありがとうございましたー!
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