※オフライン発行予定シリアス角弓本【百鬼夜行】の予告編です。
上手く仕上がれば7月のジャンプオンリー(スペ取れてれば…)で発行します。
えと、今月のBLEACHオンリーではショートショート本を作ってお待ちしてます。
開いた傷口に捻じ込む舌
血を啜り塗りたくり快楽に耽る
嗚呼 紅い血に堕つ夜叉か阿修羅か
さて今宵百鬼夜行に混じろうが
世界が我らを見分けられるものか
【 百鬼夜行 】~予告編~
「っン、ふぁ…あ、やだ、もっと……」
ぐじゅり。
先程虚に付けられたばかりの傷口を抉じ開ける一角の舌。
紅く裂けた傷を舌が這う度、弓親の身体が薄い布団の上で跳ね上がる。
血の香りを漂わせ、生臭い返り血を其の侭に、二人は、交わっていた。
「あァ…テメェの香りがすンな…それに、旨ェ」
二人の血が滲む度に、身体に染み付いた虚から逃れられる気がして。
既に殺した醜い異形の影に追われているのかと言われれば、否、と答えたい。
だが確実に――最近特に顕著に、夢に魘されるほど、奴らは、『残る』のだ。
其処から逃れたくて、其れを打ち消してしまいたくて。
交わる其処は血の滲んだ布団の上。血と栗の花の香りが、部屋を支配する空間。
傷の消えた身体に新たに傷痕を刻み、交じる度に其の傷を割り開く。
そうして互いの身体にどれだけの傷を刻みあっただろうか。
――ふと、悪寒が走る。若しや自分たちは既に、『虚に取り込まれているのではあるまいか』
――否。否定の気持ちばかりが二人の胸を穿つ。
拭い去りたくて、忘れたくて…全てを打ち消すほどの快楽に、今日も溺れる。
何時しか己らが百鬼夜行に加わるとは思いもせずに
【やがて百鬼夜行の意味を彼らは知るだろう】
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