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三条琉瑠@秘姫堂のHP兼ブログ。BLEACHで弓受で徒然なるままに。 新旧十一番隊最愛。角弓・剣弓・鉄弓などパッションの赴くままに製作中。パラレルなども取り扱い中。 ※お願い※yahooなどのオンラインブックマークはご遠慮くださいませ。
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プロフィール
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三条琉瑠
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非公開
自己紹介:
明太子の国在住の社会人。
小咄・小説を書きながら細々と地元イベントにサークル出していたり何だり。
弓受なら大概美味しく頂けます。



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※ダークでサイコでマッドな弓の短編。
 微グロ。耐性のない方は読み飛ばし推奨。

ひぐらしのなく頃に読んでいたらこんな感じの話が書きたくなりましたゴメンナサイ…



 もしもこの命尽きて生まれ変われるのなら


 慈悲心鳥になれれば良いのに


 <MD XXX>


 蝶が、死んでいた。
 夏の暑い日だった。
 鳥に羽毟られ屑になった体。
 壊されることを羨んだ僕の瞳は冷たかっただろう。

 僕はお墓を作ってあげた。
 掘るモノがなかったから大き目の包丁で。
 隊舎の庭の木陰を選んで、一心不乱に掘り返した。
 夏の暑い日だったから、あっという間に汗が浮かび、肌を転がってく。

 もしも僕が死んだなら。
 骨も残さず消えてしまえればいいと思う。
 死した屍を晒すなんて醜いことは耐えられない。
 花霞のように消えてしまい、皆の前に二度と現れなければいいのに。

 もしも僕が死ぬのなら。
 愛しい人に斬り殺されたい。
 殺められて、踏みつけられて。
 最後に愛しい人を瞳に焼き付けて逝けるのなら。

 僕は己の為に生きてはいない。
 ただ、この場所が好きで、この場所が全てで。
 此処に居たいと思うたったひとつの信条だけが、僕を生かし続ける。
 だから僕はこの身体を、命を、魂を、全て残らずこの場所に捧げて生きる。

 あらかた掘った穴に蝶の残骸を入れたとき。
 包丁で地面を掘る僕がおかしいのか、一角が来た。
 確かにおかしいだろう。少なくとも一角が同じことをしていれば、僕は止める。
 きろりと一角を上目遣いみ見詰めた目線は、感情を乗せる余裕がなく、空ろで。


 「――何でもないよ――蝶の墓を作っていただけ――」


 土を被せて大地に戻す。
 面倒起こすなと言う一角に、そんなんじゃないと言葉を返して。
 嗚呼可笑しい。何でもない筈なのに、喉の奥からくつくつと笑いが込み上げる。
 盛り土を作って完成させた墓に軽く手を合わせると、僕は立ち上がって一角を見詰めた。


 蜩の啼く声が、夏の熱線を浴びてじりじり焼ける。


 「ねぇ一角、僕ね――死んだら、慈悲心鳥になりたい」


 そうすれば何も考えず


 この場所を想って啼けるから

 <MAD END>
サイコでホラーチックな弓。
弓は十一番隊の為に生きていて、十一番隊のためなら死をも殺しをも厭わないんじゃないか、と。
でもそれは、一角の延長線上で、だけど一角だけを拠り所にするには心は大きすぎて。
だから”更木隊”としての十一番隊全てを拠り所にしていればいいと思う。

慈悲心鳥=十一と鳴く鳥。別名ジゥイチ。
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※【恋するハニカミ】を元ネタにショートストーリー。
恋するハニカミ=与えられた指令を元にデートをするとあるTV番組。


 誰と、誰が、いつのどこで、何をする。

 一角と、弓親が、閉園間際の夜の遊園地で、手を繋ぐ。


<いつどこはにかみ 角弓>


 人影もまばらな園内のBGMは、物悲しく”蛍の光”。
遊具のネオンだけが場違いのように瞬いて、夜と言う名の黒の緞帳にぴかぴか光るビーズのよう。
何がどうしてこんな任務なのか知るよしもない二人は、
それでも一応渋々やってきて、寂しくなった園内をゆっくりと散歩していた。
 当然、霊体なので、入園料がいるわけでもなければゲートから入ったわけでもない。
というよりは、気付いたらこの場所に居て指令を出された、と言った方が正しいだろう。
唯一つ確かなことは、その指令には逆らえない、ということだけだった。

「…で、どうするのさ」

 宛てもなく、園内を奥へ奥へと進んでいく一角の散歩後ろを歩く弓親が、
肩を落として溜め息混じりに、声をかけた。

「そンなの俺が知るかよ。帰っていいなら帰るけどな」
「手を繋がないと出れないみたいだって、さっき言ったよね?」
「あァ?知らねェ知らねェ。そンなの俺が知るかよ」
「というかね、それで終わるんならさっさと手を繋いじゃおうよ」
「アホかお前!遊園地で手を繋ぐなんざ、女子供のやることだっつの!」
「うわ何その考え…一角、蹴っ飛ばしていい?」
「やってみやがれ。そン時ぁ十倍殴り飛ばす」

 言葉を投げつけあう間にも足は止まる事無く、二人の姿はすたすたと進む。
やがて、規則正しい彩を散りばめて緩やかに動く巨大なアトラクションの前に来て、二人の足が止まった。
否、アトラクションに足を止めたのではなく。

「…行き止まりだね」

 其の後ろにそびえ立つ、決して高いとは言えないが今飛び越えることの出来ない壁に。
壁よりも遥かに高い目の前のアトラクションの方にイラついたのか、それとも指令そのものにイラついているのか。
一角は、ち、とひとつ舌打ちをすると、足元を蹴って高く、高く飛び上がった。
 どうする、と聞く間もなく上空へ登ってしまった相棒に、弓親はひとつ溜め息をついて。
それでも伴うように、軽やかに高く飛び上がると、緩やかに動く箱のひとつに、着地した。

「おー、高ェなぁココ。浅野ン家まで見えんじゃねェか?」

 観覧車の頂上付近の籠の上で楽しそうにそんなことを言う一角に、
弓親は思わず小さく噴出して、一歩二歩進んで、真横に並び、星を散りばめたような夜景を見下ろした。

「何とかと煙は高いところに昇りたがる…って言いえて妙だねぇ」
「ンだとコラ、俺は何とかか…お、なぁアレ学校だよな?」
「ちょっと、鬼道なしでそんな遠く見えるほど僕目はおかしくないから…って」
「目ェ凝らせば見えるだろ?つーか、何だよ……あ」

 高度特有の冷たい風に吹かれながら、二人の視線は一点に集中していた。
一角が学校をアレ、と示した反対の手で、弓親の手首を掴んでいて。
言葉を忘れた数瞬に、風の音だけが耳元でばたばたと鳴った。

「……繋ぐ?」
「……おう」

 そっと離して、掌を握り合う。
たったそれだけのことが、何だか厳かに思えてしまえて。
だけどそれは自分達らしくなくて、直にどちらともなく笑い声が毀れた。


「まぁ、何だ…帰るか?」

 海まで続く人工光の瞬きを見下ろしながら、ひとつ、ふたつ明かりが消えてく遊園地の光を背に。
動きを止めた観覧車の上で、一角が聞いた。
肌を冷やす風が吹き付けるこの場所で、繋いだ手だけが暖かくて。
あれだけ困らせられたのに、何だか名残惜しくなっていて、指をきゅっと絡めあった。

「……もう少しだけ、このまま…」

 そうか、と短い返事を聞いて、弓親ははにかんだ笑みを浮かべた。
夜の帳が終幕のように、町の灯をひとつひとつ黒の中に沈めていく。
瞬く星が消えていくようで、何となく、瞳をそらす事が出来なかった。


<この番組はお詫びの提供でお送りしました>

というわけで、お詫びショート。
本当はもっと全力渾身のコメディを書くつもりでしたが。
明日(むしろ今日)は土曜なのでがっつりお題を仕上げたいと思います。
※女の子弓で剣弓。年齢制限はかけませんがいかがわしいです。


触れられれば零すのは吐息だけ
口から毀れるのは言葉にもならない声

 霊圧を零さぬよう幾重にも張った結界の中で、
月明かりに照らされて影が二つ、溶け合うように蠢いていた。

交わる、なんて生易しい言葉じゃない
――そう、喰われる

 引きつる絹を裂くような悲鳴すら愉しまれ、追い詰められ。
組み敷かれた白い身を捩る姿は、尚更相手の欲情を煽るだけで。

まるで

 痛みを凌駕する快楽の渦が、胎内から脳天を駆け巡って熔かす。
幾度迸りを受けただろうか。考える事すら今は難しい。

僕は貴方に捧げられたイケニエ

 ふつ、と首元と手首に、焼けるような熱を感じて。
生理的な涙が毀れるのに構わず突き動かされ。

永遠に外れることのない、手枷と首枷に戒められて

 そして数え切れない絶頂と同時に、僕は意識を手放した。

貴方愛しと傍で啼く


 <贄姫>


 日に焼けぬ白い肌が、薄暗い部屋の中で瞬くようにぴく、と動いた。
ぼんやりと覚醒しきれぬ意識の中、汗を吸い込んで冷たい布団から身を起こす。
身体を漸う起こすと、喉が水分を欲しがって渇きに引き攣った。
 枕元に常備している筈の水差しを探す手が空を切ったとき、低い声が背の方から響いた。

「コレか?」

 言葉が終わらぬうちに、ぴと、と首筋に冷たい感触がした。
喉の奥から乾いた声で小さく悲鳴を上げて振り返ると、貴方は面白そうにくつくつと喉で笑って。

「…頂きます」

 力の入らぬ手を伸ばし、硝子の水差しを受け取ると、そのまま口をつけた。
少し生温い水が、体内に流れ込み、身体の隅々まで行き渡る感覚を覚える。
水差しに残っていた水を全て飲み干すと、額にじわりとまた汗が滲んだ気がした。

「まぁ、ちったぁ持つようになったが…もうちょっと堪えろ」
「…善処してるつもりですが…無茶言わないで下さい、隊長」

 あぐらをかいて煙管を嗜む相手を上目遣いに少し睨めば、其れすら面白いのか
ニィ、と口角が上がり、ねめつけるような視線を向けてきた。
水差しを元あった盆に戻し、布団の横で乱雑に脱がされたまま投げられた襦袢に手を伸ばした。

「何だ、着ちまうのか。勿体ねぇ」
「裸のままうろつくのは僕の趣味ではないので…」
「いつもサラシ巻きやがって、見ることすら出来ねぇんだ。ケチくせぇ事言うんじゃねぇ」
「無茶言わないで下さいってば!…明かり、つけますよ?」

 肩に羽織り、軽く黒い紐を腰で結んで、まだ重い身体を引きずって立ち上がって。
…紅い布地に酔芙蓉が模様取られた襦袢は、隊長の伽の相手のときに
必ず着てくるようにと言いつけられているもの。信じられないかもしれないが、この人がくれた物だ。
 如何して酔芙蓉の柄なのだろう?そんなに移り気に見えるのだろうか、と
貰ったときには小首を傾げたのだが、単純に紅い着物を乱す僕を見るのが楽しいらしいと
そう気付いたのは、幾度目かの夜が終わった後だったような気がする。

 伽の最中は霊圧を抑えずに交わる為、部屋の中の明かりは一切つけない。
霊圧の渦となるこの部屋は、隊長専用室の一室に設えた場所だが、
調度品は必要最低限…其れこそ布団と行灯しか置いていなかった。
その行灯も霊圧に倒されたりしたら事だし、最中に其れを直す余裕などこの人はくれない。

「あァ、弓親…明かりはいい。来い」

 不意に呼ばれ、はい、と招かれるまま踵を返し隊長の前に座る。
節立って筋張った硬い手で、ぐ、と右の手首を掴まれ、目線の高さに持ち上げられる。

 其処には平素、僕が布で覆い隠す理由がはっきりと現れていた。

 満足そうに笑みを浮かべる隊長の視線に、何処か気恥ずかしくなって、視線をそらした。

「そうやってテメェは、時折生娘みてぇな顔を見せる…なぁ、俺に何度抱かれたんだ?」
「ッ……そんな…」

 捕まれた右の手首に浮き出ているのは、細かく彫り込まれた、幾パーツもの骨を繋いだ手枷。
くいと顎を掴まれ顔を上げさせられれば、真っ黒な骨の首枷が僕の首を彩っていた。
 特殊な時のみ現れる白彫りは、隊長の命で彫りこまれたものだった。
興奮に伴って浮き上がるのではない。

 彫りこまれた枷が浮き出る条件はたったひとつ。
隊長の霊圧を浴びること。其の濃さに応じて、枷は徐々に黒さを増す。
傍に寄れば寄るほど。隊長が霊圧を開放すればするほど。

 其れは絶対の”枷”であり、所有物の証。
更木剣八という存在から逃れることの出来ぬ、戒めであり契り。

「…よし、回復したな?」

 え、と問い返すような言葉だけ発して、答える間もなく押し倒されて。
切りそろえた髪が布団に遮那と散らばり、弧を描いた。
息が詰まるほどの深い口付けに思考を奪われて、白い肌を露にされて。

「……まさか…まだ、するんですか?」
「テメェこそまさか…あれで終いだと、思ってんじゃねェだろうな?」

 漆黒に浮き出た首枷を舌で嬲られ、甚振られた身体が熱く疼く。
彫られた枷を責められる度、白彫りを施されたあの時に囁かれた言葉が、頭の奥で蘇る。

”俺に仕えろ。死ぬまで…いや、死ぬことは許さねェから、永劫にだ”


永遠に外れることのない、手枷と首枷に戒められて
貴方愛しと傍で啼く

永劫の刻を貴方のモノとして生きていく
数え切れぬ程喰われながら

<了>
拍手を頂いた方と澪さまから剣弓関係のお言葉が出ておりましたので(笑)
弓の首と手首の布を題材にしながら、女の子弓で剣弓。
剣弓はね、茶仲間の彩守さんの思う剣八のような剣ちゃんを書きたいと思いつつ。
カッコイイんだよなぁ、時折語る言葉の重みとか懐の大きさとか!ドSだけど(笑)
荒々しく壊すような、でもそれが愛し方で、弓も其れを受け入れてるといい。
やっぱり。

 ――砂利を踏みしめて、劫火の中事切れた子供を見下ろした。
    虚の大群に襲われたこの集落はもう駄目だろう。
    燃やし尽くす炎は、まるで送り火。

神様なんて、いなかっただろう?

<Kyrie Eleison>

 現世にて虚の群れが現れたとの報告を受けて、
僕ら十一番隊は、いつも通りの手続きを踏み、今しがた仕事を終えた。
 燃え盛る炎の中、熱風が、血塗れの僕の身体を撫ぜる。
火の赤なのか血の紅なのか、分からなくなるほど僕は朱に塗れていた。
僕だけじゃなく、皆。今日は特に血飛沫が酷くて、荒々しくて。

 結局、”虚に殺された整が虚に食われずに済んだ”ことが幸いで。


「…如何した。何処か怪我してンのか?」

 あまりにもじっと俯いて動かない僕を心配したのか、
一角が訝しがりながら傍に寄り、僕の背中に声を掛けた。

「……ねぇ一角、死んだときのことって…覚えてる?」

 僕の瞳は空虚なばかりで、まるで鏡のように目の前の事は眸に写すだけで。
思い出してしまった。思い出さずとも生きていけたあの日の事を。

「はァ?…ンなこと急に言われても、覚えてねぇし思い出せねぇよ」
「僕は覚えているよ」

 八つ当たりするつもりなど欠片もないのに、声色は強く。
ぴんと爪弾いた琴のように、赤銅の音色に混じって揺れた。


 ――耳の奥で、目の前で息絶えた子供の声が木霊する。

  か み さ ま 

 ――途端心臓ごと肺を鷲摑みにされたかのように、僕は呼吸を無くした。

  た す  け て

 ――血化粧に彩られた其の眸が、硝子球のように空を映し出して尚、目を背けられずに。



 ”神様なんて居なかった”


 そう真っ暗な星空に呟いたのは、虚に胸突かれた己の絶命の刻。
どんなに願っても、祈っても。この世を救うと信じていたのに、そう教えられたのに。

 救ってくれる神様なんかいない、ずっと。


「…死神は、殺す神様なんだね、きっと」

 自嘲気味に笑って僕は、既に抜け殻となった子供に祈りを手向けた。
指を絡め、手を組み合わせて。生前習った神様への祈り其の侭に、膝をついて。

「じゃなかったら、誰が虚を殺すっつぅんだ、オイ」
「……いいなぁ、一角は幸せで」
「あァ?!オイこら弓親!テメェ今のはどういう意味だ!」
「別に、言葉其のままだけど?」

 振り向いた顔は
 …大丈夫。笑えてる。いつも通りに。
淑やかな笑みを浮かべ、朱色に染まったまま歩き出す。


 祈りの先にあるパライソがあんなに救いのない世界だということに。
僕はあの世界にたどり着いたとき、死して尚、もう一度呟いた。


 ”やっぱり”

 ”神様なんて居なかったね”


 ――Kyrie Eleison.

 ソレは、居ない神様に奉げる恨みの言葉。

<END>
Kyrie Eleison=主よ、憐れみ給え
恐らく初BLEACH作品。書いたのは確か去年。PCの奥から掘り出しました。
弓は何となく隠れキリシタンぽいなぁと思って書いた話。
当時の自分は一体何を如何考えていたのか、今は知る由もない。
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