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三条琉瑠@秘姫堂のHP兼ブログ。BLEACHで弓受で徒然なるままに。 新旧十一番隊最愛。角弓・剣弓・鉄弓などパッションの赴くままに製作中。パラレルなども取り扱い中。 ※お願い※yahooなどのオンラインブックマークはご遠慮くださいませ。
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三条琉瑠
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非公開
自己紹介:
明太子の国在住の社会人。
小咄・小説を書きながら細々と地元イベントにサークル出していたり何だり。
弓受なら大概美味しく頂けます。



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※角弓(?)鬱ダークな短文。
 微グロ。耐性のない方は読み飛ばし推奨。

 弓のエネルギー吸収は体質という考え前提。
 <MAD XXX>と同系列。



 ――どくん ――

「ッ、ぁ、は―――」

鼓動は胎動
人の殻食い破らんと羽瞬かす人喰い孔雀

 ――どく ん ――

「う――く―――」

脂汗が額に滲む
立つことすら難しく体はずるずると襖に沈んだ

 ―― ど くん ――


 紅イ月、隠レ鬼 】


手が震え 視界が紅く滲む
膝から下が己の体でないように  重い
重く だるく 動かすことすら侭為らぬ
嗚呼 其れを良しと 其処に付け込んで

 ――どく どく ん ――

鼓動の音が耳障りに五月蝿い
はぁと吐く息は荒く 喉が引き攣って痛い
いやだ やめて
願うばかりで躯の中 殻を突き破り羽は輝く


  もう いいかい  ?


「ッ、や、め――ろ――」

皮膚に食い込んだ爪は赤く
滲む血はじわりと服に染み込んで消えた
何をかもを喰らいたくなる衝動
嗚呼 殺人 殺意 其れと呼ぶことすら生温く


「――オイ?弓親?」

 ――どく ん ど くん ――

「やめ、て――いっかく、あっちいって――」

鼓動は早く鐘打ち
喉の奥じわりじわりとせり上がる 何か
既に汗は冷やこい其れに変わり
止まぬ眩暈 益々視界は紅くなる  血の如く

「――何言ってンだ。大丈夫か?」

 ――ど くん  どくん ――

「だいじょ、うぶ、だから、おねがい――」

空飾る紅イ月
人喰い孔雀の卵は生らば紅いのか
胎内の鼓動が月に呼ばれるように
嗚呼 益々 益々 早く強く打つ

「――本当に大丈夫かよ―入るぞ?」

 ――どく ん  どくん  ど くん ――

「っ、だめ、いまは、かえって――!!」

震えはいよいよ酷くなり
語る言葉は引き攣った喉を引っ掻いて
躊躇い 戸惑い 全て喰らうてしまうのか
じわり 羽一片 更に餌を求めて其の身を伸ばす


 ――どくん  どく ん  どくん  ど くん  どくん ――


   もう いいかい  ?


 嗚呼 其の囁きに堪える事は出来ずに

 牙向いた血肉色の羽瞬かせ

 人喰い孔雀はヒトの命欲す


<之が是かと問われれば壱つの可能性に過ぎぬ>

紅い月に調子を狂わされて、力を制御できない弓親。
其のときは無差別に喰らってしまおうとするから、
親しいヒトを傷つけぬように篭っていればいいと思うのです。
だけど構ってくる相手も居たりして、居て欲しいのに来ないでと。
そう引き攣りながら叫ぶしか出来ない時も、美しいと思うのです。
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※オフライン発行予定シリアス角弓本【百鬼夜行】の予告編です。
 上手く仕上がれば7月のジャンプオンリー(スペ取れてれば…)で発行します。
 えと、今月のBLEACHオンリーではショートショート本を作ってお待ちしてます。



開いた傷口に捻じ込む舌
血を啜り塗りたくり快楽に耽る
嗚呼 紅い血に堕つ夜叉か阿修羅か
さて今宵百鬼夜行に混じろうが
世界が我らを見分けられるものか



 【 百鬼夜行 】~予告編~



「っン、ふぁ…あ、やだ、もっと……」

 ぐじゅり。
先程虚に付けられたばかりの傷口を抉じ開ける一角の舌。
紅く裂けた傷を舌が這う度、弓親の身体が薄い布団の上で跳ね上がる。
血の香りを漂わせ、生臭い返り血を其の侭に、二人は、交わっていた。

「あァ…テメェの香りがすンな…それに、旨ェ」

 二人の血が滲む度に、身体に染み付いた虚から逃れられる気がして。
既に殺した醜い異形の影に追われているのかと言われれば、否、と答えたい。
だが確実に――最近特に顕著に、夢に魘されるほど、奴らは、『残る』のだ。
 其処から逃れたくて、其れを打ち消してしまいたくて。
交わる其処は血の滲んだ布団の上。血と栗の花の香りが、部屋を支配する空間。
傷の消えた身体に新たに傷痕を刻み、交じる度に其の傷を割り開く。
そうして互いの身体にどれだけの傷を刻みあっただろうか。
――ふと、悪寒が走る。若しや自分たちは既に、『虚に取り込まれているのではあるまいか』

 ――否。否定の気持ちばかりが二人の胸を穿つ。
拭い去りたくて、忘れたくて…全てを打ち消すほどの快楽に、今日も溺れる。


 何時しか己らが百鬼夜行に加わるとは思いもせずに


 【やがて百鬼夜行の意味を彼らは知るだろう】
※恋弓(♀) 【黄泉比良坂】の続き…かな。
 コトの後ですがギャグです。しっとりした空気を期待した方ゴメンナサイ。
 でもこれがうちの恋次のいつものスタンス(笑)





 やっちまいました。

 正気に戻った俺は今布団の上で、土下座とも何ともつかない体制なわけで。
 簡単に言うと。

 _| ̄|○



 【 蜘蛛の糸 】



「いや…ホンットすいません弓親さん…!!」

 俺のナニやら弓親さんのアレやらでぐっしょりになった敷布団の上で、
涙目のまま粗い息をつくろおうとする弓親さんに、俺は恐る恐る声をかけた。
 魔が差したのが二刻前。
 くんずほぐれつ一刻前。
 正気に戻った十分前。

 軽く五回は死ねる位のコトじゃない。軽く誤解で地獄に堕ちれる…!!
そんな断罪の風景を思い浮かべれば、体中から冷や汗が噴出した。
握りこんだ手が何だかぬるっとする。

「……恋次…」
「はっ、はい!!」

 弓親さんの言葉に俺は思わずびしっと正座をして、
寝転んだたままの弓親さんに、大丈夫ですか?と思わず聞いた。
 いや、軽くヤバイ。弓親さんも俺の命も。

「ッ…あ、あの、本当にスンマセンでした!めっちゃ魔が差しました!!
 だからその、今日のことは犬にでも噛まれたと思って、本気、
 俺も何もなかったことにするんでその、や…っ、ヤっちまったこととか、俺も、忘れ」
「くどい!」

 みしり。
土下座する俺の頭に、弓親さんのカカトが沈んだ。

「ッ……い、いいカカト落としですね…弓親さんの右足なら世界を狙えますよ…」
「今のは左だよ」

 ぴしゃりとそう言い放った弓親さんは、俺がびりびりに破っちまった服を取ると
どうするのさこれー、と溜め息混じりに悩んでいる。
俺は脳髄に走る痛みを抑えつつ、実際にカカト落とし食らった場所を手で押さえつつ、
回復しかけてるらしい弓親さんにもう一度向き直った。

「…あのね恋次」
「本当に申し訳ないですいやマジで!でも俺責任とかそういうの取ったら本格的に死ぬと思うんで、
いや既に死神ですけどあぁ死神って死ぬんすかねっていやそうじゃないっすけどあの」
「もう一回カカト食らっとく?」
「スンマセン黙ります」

 ぴしゃり。
弓親さんの一言に、俺は正座を正して口を瞑った。
多分今俺が犬なら、耳はへにょんと力なく垂れ、尻尾はなす術もなくぺしゃんと下がってるだろう。

(あぁ…鳥と犬の筈なのにな…いや、鳥と蛇か?)

 汚れていない掛け布団の包み布を剥がして簡単に身にまとう弓親さんを見ながら、
俺はぼーっとそんなことを思った。よし、ボケが浮かぶくらいには回復した。何からだ。

「……まぁ、赤犬にでも噛まれたと思っておくから」
「………は?」

 俺の顔を見た弓親さんは、しょうがないなぁ、と言いたげに溜め息をひとつ吐いて、
僅かに苦笑を浮かべて、そう言った。
 俺のシナプスとやらはその意味を掴もうと必死に考えるんだが。
……あぁ、馬鹿ってこういう時辛ぇよな。勉強してれば今の言葉の意味も
即座に解ったんかな。何回死ねってことなのか。

 そんなことをぼんやり思って困った顔をしていると、
弓親さんは、またしょうがないなぁと言いたげに…今度は笑った。

「なかったことにしておくから。だから…くれぐれも恋次も誰かに言わないこと。いいね?」
「あ、は……い、いいんですか…?」
「…死にたい?」
「いや全然まだ命惜しいです」

 必死に否定の意味で首をぶんぶんっと横に振る。
そんな俺を見て弓親さんは少し楽しげに笑って…つん、と俺の額を、指で押した。

「…君が見ているのが辛いほど寂しい顔してたんなら、僕にも非があるし…
 責任は一角に取ってもらうから、大丈夫」
「え…?あ、いや、その…」
「だから、心配しないの…恋次が冗談でこういうことしないっていうのは、
 一応わかってるつもりだけど……それとも、冗談だった?」
「いやちっとも全く!」

 俺は再び、それこそ犬のように首をぶんぶんっと左右に振って…
それが面白かったのか、弓親さんはくすくすと笑った…そう、笑ってくれたってことに、俺は気づいた。

「………恋次?」
「ハイ、何すか?」

 にーっこり。
何だかそんな形容をしたくなるような…ちょっと怖い笑顔を浮かべて、
弓親さんの視線は俺の顔から…つつーっと、下に滑る。

「……」
「……」
「…正直な息子さんだねぇ」
「いやぁそれだけが取り得なんで俺の息子さん」
「あはははは…」
「は、はははは…」

 軽やかな笑い声。ココだけ聞けば世界が勘違いしそうなくらいな和やか空間。
だって、あれだぞ?何せ一角さんが愛で倒すくらいの滑らかバディがシーツ一枚越しで…

「…やっぱ言っちゃおうかなー」
「スンマセン今すぐ静めますんで勘弁してくださいー!!!」

 そして俺は今日何度目か既に解らない土下座をしたわけだ。

 嗚呼。蜘蛛の糸を掴むには、ちょっとまだ、遠い。

<終>
※角弓(♀)←恋の恋弓ショートショートです。
 ちょっと普段のノリと違ってアレでナニでいかがわしいので格納対象。
 ハッピーではないです。暗くてドロドロ。
 


「ッ……!」

 がり、と。
首筋に噛みつかれ、柔らかな皮膚が傷つけられる微かな痛み。
組み敷かれ、抑えつけられ。それなのに。

「こんな、ッ…コト、して……ただで済むと、思ってるの…?」

 涙を滲ませながら睨み付ける瞳は何処か儚げで。
上気した頬の紅みが、背徳も何もかも打ち消して艶めく。

 ――嗚呼、一度転がれば二度と止まらぬ。


 【 黄泉比良坂 】
※鉄弓。シリアス。色々怖いこと書いてますが、
 書いた本人が一番思ってます。「こうはなりませんように」
 BGMはSound Horizonの『リヴァイアサン/終末を告げし獣』より『死刑執行』



 あの人は太陽だ。灼熱の光に照らされれば最後、届かぬと知りながら追い求める。
 あの子は月だ。太陽に恋いこがれ其の体いっぱいで光を受け止めて光り輝く。
 彼は向日葵だ。太陽に焦がれ、太陽だけを追い求めて、空高く其の身を伸ばす。

「そしてね、鉄さん。僕はきっと」

 他の花と共に咲くことを許されぬ、葉無し花無しの毒の花。

 そう言って笑った僕の髪を、貴方の手が撫でた。


   < 彼岸花 >


 季節外れの川岸に、彼岸花の茎だけが、寂しげに佇んでいた。
既に葉の時期も過ぎ、後は消え絶えてしまうだけの、哀しい姿。
近づいて手折ろうとすると、貴方の手が横から伸びて、僕の手を掴んだ。

「弓、悪戯に命を摘み取るようなことは、いかん」
「……解ってるよ…」

 大人しく手を引き、小さく笑って見せた。
川岸に群れる葉無し花無しの茎が、五月の風に僅かにそよぐ。

「茎はひとつなのに、決して花と葉が共に在ることはない…何だか、哀しいね」

 季節になれば紅一面に染まるのであろう川岸を、目を細め見遣る。
彼岸の頃に来れればよかったのに…そう思う僕の頬を、風が撫ぜた。
柔らかな風にはらりと揺れる髪を抑え、暫しの言葉のない空間に、佇む。

「………死人花、幽霊花、墓花…葬式花とも呼んだっけ…」

 不吉を象る呼び名ばかりを並べ、また、小さく笑ってみせた。
僕の後ろに立つ貴方の姿を見ることなく、一歩、足を進めて。
振り返らずとも解る、平素の表情を浮かべてそれでも、心配そうに僕を見遣る姿。


「だからこそ僕は…彼岸花でありたいと、思う」


 満面の笑み浮かべ振り返れば、虚をつかれたような貴方の顔。
その表情が少し可笑しくて、見たこともないような表情で…くすくす、と笑みを浮かべた。
大丈夫。貴方が心配するような思い悩みでは、今回は、ないから。

「例え他の花と共に咲くことを許されなくても…墓守の花で居られるのなら」


 虚圏、破面、仮面の軍勢。
今まで見たことも出会ったこともないようなモノと、この先戦いは逃れられない。

 例えばそれは、向日葵が枯れ朽ちてしまうかもしれない。
月が失せてしまうかもしれない。太陽すら…亡くしてしまうかもしれない。
きっと、沢山のモノを、たくさんの者を、殺して、殺されて。
だけど尚、其処に自分が在ることが許されるのなら。


「毒を孕み、悲しい思い出と一途な想いを抱いて、真っ紅に咲き続けたい」


 其れでも凛と前を向き咲こう。
白彼岸を紅に染める血を浴び、全てを見届けて尚、生きていられるのならば。
後の時間は一刻残さず、傍に在り続けることだけを選ぼう。


「置き去られることも、独りにされることも、慣れているから…」
「…嘘でも、そがんことは言うな」

 厳しさが乗った貴方の声に、眉を下げた。
一歩後ろに下がり、茎だけの彼岸花の中に立つ。
御免なさい、と小さく告げて――でも、と、僕は続ける。

「それは、全てが終わった後の話…もしも、置いていかれず、其の場所に居ることが出来たなら」

 目を細め、其のことを”想像”する。
起こりえない未来――否、起こって欲しくない、仮想の未来。


 ずる、と――胎内から、人喰い孔雀が、僅かに羽を瞬かせた。
仄緑の光が風のように立ち上り、其れと共に、茎が萎れ、枯れてゆく。

「どれか一つでも欠けたなら…全てを喰らって、僕も消える」

 災厄も、敵も、何もかも。
護りたいモノ以外全てを喰らって、呑み込んで。
跡形もなく塵と化し、そして初夏に消える彼岸花の如く、僕自身も消えてしまおう。


「――考えたくなんてないけどね」

 すぅ、と、仄緑の光を収め、自嘲を浮かべた。
風が、先程までと何ら変わりのないように、僕の頬を、枯れた茎を撫でる。

「…彼らと一緒に出たとして、一番弱いのは、僕だから……怖いんだ」

 手をぐっと握りこむ。爪が、掌に食い込む感触がした。
弱くはない。だけど、彼らはもっと強い。足手纏いになるのは、死んでも嫌だ。
其れでも近くに居たい。隣に居たい。どうしようもないエゴで、頭がくらくらする。

 だから、もし、其処に在ることが許されるのであれば。

「……其れが、僕なりの戦い方、だから」


 毒を孕み、紅く、あかく咲こう。


「知っている貴方だから…知っていて欲しかった」

 人喰い孔雀の本当の羽の色を知る貴方に。
そう告げると、貴方は僕の目の前に立って、やさしく、僕の頭を撫でた。
諌めるでもないその優しさに、僕はいつも甘えてしまって。
気づけば、身体を委ね、抱きついて、甘えていた。

「…雲になって、枯らせてしまえばえぇのにの」
「え…?」
「そんなら、おんしが彼岸花に成らんで済む」

 頭の上から届いたぽつりと呟く言葉に、頬がかぁと熱くなるのが解った。
いつも貴方は、優しくて、温かくて。だから、つい甘えてしまって。
抱きついて顔を埋めた貴方の肌の暖かさに、心の中にあった冷たい思いが解けていく。

「……鉄さん」
「何じゃ」
「…見守ってて…傍にはもう居れないけど……」

 浮かびそうになる涙を服の裾で拭い、ぎゅ、と、背中に回した手で服を掴んで。
だが、言葉は続くことなく、毀れる涙に混じって嗚咽だけが僅かに響いた。
色々なものが胸の中で交じり合い、言い表せない感情が浮かんでは消える。
そんな僕の頭を掌で優しく包んで、貴方は、一言。

「…次の彼岸には、皆で此処に花を見に来ようかの……えぇか、皆、で、じゃけぇ」

 うん。
その短い一言すら発することも出来ずに、僕はただ、佇んで、腕の中、泣いていた。
其れこそ風に揺らされる彼岸花の茎のように。

<終>
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